酒。
昔、お酒のCMで
水商売の和服のママが真ん中で周りにホステスさんたちがいてみんなで「どんどん飲め飲め人の酒!」と言ってるの、好きだった。
もちろん実写版で、華やかで迫力があった。
"お酒飲む人、花ならつぼみ 今日もサケサケ、明日も咲け"
という、有名な都々逸がある。
それのパロディだったのかもしれない。
女のしたたかさ、強さ、明るさ、陽気さ、美しさを全面に押し出した、鮮烈なシーンだった。(笑)
お水の花道とか黒革の手帳とか、そういうドラマが流行った頃だったかな。(違うかもw)
パリのムーランルージュなどの老舗のキャバレーでは、ショーで乳首も出すコスチュームで堂々と迫力ある振り付けでラインダンスを踊る。「女」を謳歌できる素晴らしい文化だと思う。
女は、命を生み出し養い育てあげる役割の性であり、本来は決してか弱い存在ではない。
子を守るために外敵や天敵と戦うことも普通だ。
そうした意味で、男も女も、必要以上に相手に寄りかからず生きる力が必要。
親が元気で自分も家庭を持ち、子供が生まれたとしても、生死にかかわらず何らかで別れ、ひとりになる可能性は誰にでもある。
また、たとえ大家族であっても「大勢の中の孤独」ということもあるのだ。
そんな夜には思いだそう。
女たちはヒラヒラのスカートの裾を翻し、黒いブーツの脚を高く上げ、杯を手にした客たちの前で艶然と微笑む。
「お酒飲む人、花ならつぼみ 今日もサケサケ、明日も咲け。
どんどん飲め飲め、ひとの酒!」
ジャッキー・チェンの酔拳の字幕に、「酒は男を磨く水、心のけがれを落す水」という名言がある。
ちなみに、師匠の別れの置き手紙も、素晴らしい。
「寝食を共にすること幾星霜、名残は尽きぬがいよいよ別れの時が来たようじゃ。わしはお前にすべてを教えた。家へお帰り。わしも再び雲を友とする暮らしに入る。大空が屋根、大地がねぐらじゃ。ただお前の身に何かがある時は姿を見せるでな。」(酔拳/蘇化子)
もちろん、酒がすべてではない。
でも、祭りや酒で自分を純粋に浄化する術を知っている人は、そのたび荷物を小さくできるから、幸せだと思う。
飲みすぎや中毒、「過ぎたるは及ばざるがごとし」だけれども。(笑)