おつげのおばちゃん
友達が働く施設に、人気のおばあちゃんがいる。みんなから「お告げのおばちゃん」と呼ばれ、親しまれているそうな。
普段のことは何もわからない。でも、話しかけられると何の脈絡もない返事をしてくれる。脈絡がないので、まるでおかしな「お告げ」のように聞こえるのだという。
「おはよう」と声をかけたら、「もう懲りたか?」と。
同じく、「おはよう」と声をかけたら、
「今日は本物か?」と。
聞いていて私も笑ってしまった。
身体を抱えて車椅子に乗せるのに、「重いなぁ〜」と言ったら、「夜中にかっぽっちゃえー(捨てちゃえ)」。
「面白いこと言うね〜」と笑ったら、「ひゃっこい(冷たい)こともあるよ〜」。
ひゃっこい、というのは冷遇ではなく、物質的に冷たいこと。
友達が帰り際に「じゃ、また明日来るね」と挨拶すると、
「ちりめんじゃこ〜」と返されたそうな。
もちろん、真面目に考えたら笑い事ではないのだけど、深刻な事態をこそ笑って切り抜けていけたら最高だと思う。
また、その友達の友達は精神病院の介護をしていた経験があり、そちらは高給だったけど患者さんも若いし介護も命懸けだった、と。長くはやれない仕事だった、と。それに比べればお年寄りの介護は楽だ、と言っているそうな。
み…みんなすごいなー。私も頑張ろう。
笑いながら。(笑)